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帰国子女にとって「国語」は鬼門か(7): ちょっと待った!鬼門ではないけどできれば避けたい「古典」

 しかし、ここで問題がひとつあります。帰国子女諸君にとって国語は決して鬼門ではありません。この主張を変える気はありません。ありませんが、できれば避けたいのは古典、すなわち古文・漢文です。最後にこの点についてお話しましょう。
古文と漢文、漢文の方が帰国生は得意?

 漢文というのは中国の古文=昔の文章です。平安時代貴族の男たちの教養は漢文だっただけではなく、当時の公的文章にも漢文が使われていました。この漢字を変形し作られたのがひらがなであり、漢字の一部を使って作られたのがカタカナです。細かい点は飛ばしますが、古代日本語は漢文から作られていったのです。漢文は日本語の源流と言ってもいいでしょう。だから、日本では中学生になると国語の時間に漢文の学習が始まるのです。ただし、注意が必要なのは漢文が中国の古典といっても、現代中国語とはほとんど互換性はありません。
 なので、漢文に書かれていることは古代中国、漢とか魏とか世界史で習う古代中国王朝が舞台です。ちょうど『三国志』の世界をイメージしていただければ大きくそれることはないでしょう。だから「牛を十頭食った」とか「悲しくて血の涙が出た」など日本人にはなじまない大げさな表現が多発します。この点、文化の違う外国語を読む作業に似ています。もともと漢文は漢字しか書いていない、国語の世界でいう「白文」と呼ばれる状態を読むときは、文構造は英語と同じです。すなわち、主語の後に述語が来て、目的語などがその後に来ます。白文の右横にあるカタカナの文字(「送り仮名」という)や左横にある「レ」や「一」「二」「上」「下」といった文字(「返り点」という)がついているのは、当時の日本人が中国語を無理やり日本語のように読むためにつけたもの(両者あわせて「訓点」といいます)で、こうして当時の日本語として読む読み方を「訓読」といい,日本語のように書いたものを「書き下し文」といいました。これは文語文法にのっとり、古文そのものですから、漢文は国語の古典とされて、古典の授業で習うわけです。まあ、このように古典と言っても漢文はしょせん外国語ですから、まだ古文よりとっつきやすいかもしれません。加えて、漢文そのものが入試で問われるのは大学だけです。最近は一部公立高校入試でも古典の出題で漢文の書き下し文が出される例もありますが、これは先述のように実際は古文と同じと考えて結構です。さらに、大学入試に出るといっても文学部や国公立を中心とした一部の難関大学だけで、そんなに難問も出ませんから、もともと言語センスのいい帰国子女諸君にとっては、あまり怖い存在ではないのです。唯一のポイントは「文語文法をいかに攻略するか」という点ぐらいでしょうか。
(8)へ続く



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