個別指導スカイプ塾|株式会社メディア人

はじめての文語文法 第一回講義 文語文法総論(三)

1−3 学校文法ってなあに?
 日本語の文法理論は、大きく分けると四種類あるといわれています。これを「四大文法」などという場合がありますが、それでは学校ではどの文法を学ぶのか、ということが問題になります。学校ごとや教科書ごとに習う文法が違っていては大混乱を起こしますよね。


(1)日本語の文法
 大学等で文法を勉強するようになると、一言で日本語の文法といってもいろいろな種類があることを知るでしょう。その中でも「四大文法」というのがあり、それぞれ考えた人の苗字をとって、「橋本文法」「時枝文法」「山田文法」「松下文法」と呼ばれています。これがそれぞれどういう文法論かはここでは問題にしません。大切なのは四種類も体系的な文法論があり、それが未だ一つに統一されていないという事実です。これは、この四つの文法論はそれぞれすばらしい理論ではあるが、いずれも欠点もあわせもっているということも意味しています。決定打がないわけです。
 実はこの点は非常に重要なのです。これから皆さんが勉強する文法も含めて、日本語の文法理論は残念ながら未だ完全とはいえません。ということは、つまり、理論的に説明しきれないことがあるということです。例外が多いといってもいいでしょう。ですから、皆さんがこれから文法の勉強を進める過程において、「あれ?」と思ったり、「どうしてこの答えが間違いなのか?」「A本とB本では書いてあることが違うぞ」等と思われることもあるかもしれません。その場合、今お話したようなことが関係している場合がありますから、あまり深くは考えず、どんどん先に進むということも大切だ、ぐらいに考えておいてください。

(2)学校で学ぶ文法は、「学校文法」
 しかし、ここで一つ困った問題が発生します。大きく四種類の文法理論があって、どれもすばらしい理論ではあるが決定打に欠ける……すると、学校ではどの文法を教えればいいのか、という問題です。学校ごとに選ぶというのでは、上の学校への入試問題の出題ができません。そこで、1940年代後半ですが、橋本進吉博士の「橋本文法」をもとに「学校文法」が作られました。これが今皆さんが勉強する文法です。日本の中学校(主に口語文法を勉強します)や高等学校(主に文語文法を勉強します)で学習する文法は、基本的にこの「学校文法」です。
 しかし、これはあくまでも中学校や高校といった「学校」に限った話。例えば、外国人を対象にした日本語講座等では、学校文法とはまったく異なった文法理論が使われたりしています。

 これで第一回目の授業を終わります。これで文語文法の総論は終わり、次回からは各論に入ります。まずは「文の成分」から説明していきます。


このページの上へ▲  目次へ戻る▲  次ページに進む▲ 
COPYRIGHT(C) MEDIA-JIN.ALL RIGHTS RESERVED.
著作権者(株)メディア人 転載・複製・頒布等禁じます。