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はじめての文語文法 第一回講義 「文語文法総論」(一)

1−1 文語文法ってなあに?
 ここでは、皆さんがこれから勉強していく「文語文法」がどういう内容なのか、その全体像をおさえます。誰もがまず思う「そもそも文語文法っていったい何だ?」、ここから説明していきます。最初は「文語」と「文法」という言葉の意味を考えましょう。


(1)文法とは
 「文法」という言葉については、皆さん、馴染みがあると思います。特に国語よりも英語の授業ではお馴染みですよね。高校では「グラマー」という英文法の授業があるところも多いでしょう。文法とは文字通り、「ことばのきまり」のことです。日本語はもちろん、英語やフランス語、ドイツ語(まあ、言語であれば何でもいいわけですが)で、「読む・聞く・書く・話す」をしようと思うと、このきまりにのっとって行う必要があります。「昨日、雨が降るましたから、傘を持って行けでしょう」という文がおかしいと思うのは、この文が文法的に間違っているからです。

(2)文語とは
 「文法」に比べて、この「文語」という言葉はちょっとやっかいです。「文語=書き言葉、口語=話し言葉」という言い方や「文語体」とか「口語文」という言葉を聞いたことはありませんか?これらについて説明を始めると、ものすごく長くなるのと、そうまでして知ったとしても、あまり得るものはない、ということで、結論だけ書きます。文法で使う文語という言葉の意味は、「明治時代より前」という意味です。対して「口語」は「明治時代より後」ですね。従って、「文語文法」とは、「明治時代より前に作られたことばに関するきまり」、「口語文法」とは、「明治時代より後に作られたことばに関するきまり」ということになるわけです。
 ポイントは、口語も文語も「作られたことば」で、「使われていたことば」ではない、という点です。例えば、明治時代に、昔の言葉を使って書かれた文章があります。例えば森鴎外の『舞姫』という作品を見てみてください。明治よりも前に作られた言葉が使われています。しかし、使われているのは明治時代ですから、「使われた」と定義するとこのことばは「口語」になってしまうわけです。こういう文章は、実は「明治文語文」とか「擬古文」とか呼ばれるのですが、「明治時代より前に作られたことば」を使っていますから、「文語」ということになるわけです。実はこの「作られた」という表現も非常に大雑把で、多分に誤解をまねく表現なのですが、なにしろ今日は文語文法の学習をスタートさせた記念すべき日ですから、あまり細かいことは気にせず、まずは雰囲気をつかむことから始めましょう。ちなみに国語の現代文と古文で扱う文章の書かれた境目も明治時代です。


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